そんなあたしの行動がお見通しだったのだろうか。
ふぅ、と息を吐いたてったが。
「……わかった。もう話さなくていい。その代わり、聞いてくれ」
そう言った。
あたしは耳を傾けるしかなかった。
「菜生がいなかった3週間弱、いろんなこと考えたよ。なんで菜生は朱雀を選んだのか、菜生が隠してることはなんなのか、たくさん考えた」
あたしもね、あたしなりにたくさん考えたよ。
もっといい方法はないか、真実を言ってしまおうか。
だけど……
「だけど、考えても無駄だった」
あたしの心の声とてったの声が被って、少し驚いた。
でもあたしの言う”無駄”とはまったく違うようだった。
「だってさ、俺にとってそこはどうでもよかったんだ」
てったがふっと笑ったような気がした。
「まあ、まったく気にならないっつったらウソになるけど。でも、それよりも菜生がどんな思いだったのか。それのほうが気になってな」
「っ……」
そっちの”無駄”……?
あたしは、考えても意味がなくてこの状況をどうすることもできない、という意味だった。
でもてったは、いろんなこと考えてもあたしの気持ちばかり気になった、という意味だったんだ。
