白鷹が本格的に朱雀を襲うのだとしたら、タカトはきっと言っていた通りみんなの情報と過去を流すだろう。
だとしたらなんとしても白鷹と朱雀の戦いを止めなければならない。
たとえ嫌われたとしても。
「じゃあさ、教えてくれよ。脅されている内容と、菜生の本心。教えてくれたら手を引くから」
「そんな簡単に手は引けないから」
真幸と司が詰め寄ってくる。
なんで……なんで引いてくれないの!
あたしはみんなを思って……。
「……言えるわけないじゃん!」
突然叫んだあたしに、驚いた様子のみんな。
「お願いだから手を引いてよ! じゃないと、みんなを守れないっ……」
「え、それってどういう……?」
言ってしまってから気がついた。
あ…、と手で口を抑えてからあたしはみんなの間を抜けて教室を飛び出した。
なんで言っちゃったんだろうっ。
少しだけ本音が漏れちゃって、こんなことしたらきっとみんな、追ってくる……!
