他に人がいるにも関わらず、琉依は話を始めた。
「だいたいのことは調べたよ。事故のことと、朱雀のこと」
ドクン、と心臓が鳴った。
やっぱり。みんなも調べていると思ってた。
そして、もうわかっちゃったんだね。
「でも……わからないこともある。朱雀に脅されているのはわかったけど、脅されている内容、あと菜生の本心。これはわかってない」
「菜生……教えてくれよ」
「じゃないと俺ら、納得できねーだろ?」
そう言われても端から教える気はない。
1番大事なところはバレていない。
だったら隠し通さなきゃ。
あたしは話を逸らすことにした。
「……朱雀の下っ端たちを、襲ってるんだって?」
怖い顔を作って、キッとみんなを見上げる。
痛いところを突かれたように、みんなはたじろいだ。
そこを見つけて、あたしは攻めた。
「そんなくだらないこと、やめてくれる? そんなことしたって、朱雀も白鷹も得はしないでしょ?」
「でもさ、」
「このままそれが悪化して戦いにでもなったら、お互い損害しか出ないはず。白鷹に負けず劣らず、朱雀は強い。ここで手を引いたほうがいいよ」
言い方は強くても、あたしからのアドバイスのつもりだった。
