*Only Princess*





そのとき、前の席に座っていた司がこっそり紙を渡してきた。


開いてみると、おそらく問2の答えだ。



「……24/25?」


「疑問形なのが気になるが、正解だ」



あ……当たってた。



「あの……ありがと」



一応、ボソッとだけど司にお礼を言った。


片手を上げて、応えてくれた。


それからもわからない問題がある度みんなに教えてもらってお礼を言って、その繰り返し。


補講中だし、拒否できないあたしはそれを受け入れるしかなかった。


そして1時間後。



「今日の補講はここまで! 明日もちゃんと来るんだぞー」


「はーい」



返事をした瞬間、あたしは教科書をカバンに入れてみんなを避けて去ろうとした。


が、立ち塞がるみんな。


でも怖い表情ではなく、優しくてちょっぴり悲しそうな表情だった。