*Only Princess*





「ほら、念のため安静にしてなさいっ」



背中を押され、部屋に引き戻されそうになったところで思い出した。



「あっ、そうだ! タカトどこにいるか知らない? タカトは無事!?」


「タカト……って、菜生と一緒に運ばれた男の子? その子なら下の階だった気がするわ」


「あたし、タカトのところに行かなきゃっ……!」


「あ、ちょっと!」



引き止めるお母さんの声を無視して、あたしは駆け出した。


階段を駆け下りて、タカトのいる病室へ……!


ガラッとドアを引き開けると。



「よぉ、菜生」



ベッドに座り、軽く手を挙げてあたしと目が合うタカトと、お見舞いに来ていたであろうリクとソウがいた。


あれ、見た目そんな重体じゃない……?


ゆっくりとタカトに近づいていく。



「タカト……ケガは? 大丈夫なの?」


「あー……おう、平気だ」



すっと目を逸らされた。


リクとソウにも目を向けるけど、同じようにそらされた。


え、なに? 何かあったの……?

……嫌な予感がするんだけど。