近くに救急車が止まり、降りてくる救命救急士の人たち。 タカトが担架が運ばれていくのを見て、安心で体の力が抜ける。 意識が、波が引くように遠のいていく。 「お友達ですか? 一緒に乗ってもらって……って、大丈夫ですか!?」 脳内に響くサイレンの音。 駆け寄ってくる救命救急士の人。 ダメだよ、あたしまで倒れたら……何もケガしてないのに……。 頭のどこかでそう思っていて、でも意思とは反対に固く目を閉じてしまった。