*Only Princess*





涙を堪えていると、琉依があたしの頭をポンポンッと撫でた。



「大丈夫。てったは菜生が心配なだけなんだよ」


「わかってる。わかってるけど……」



だからこそだよ。


普段から気にかけてくれてるのに、余計に心配させることして。


すごく申し訳ないよ。



「ほら、てったは菜生に対して過保護なところがありますから」


「気にしなくても、明日には普通になってるって」


「うん。でも……」


「でもじゃない! 大丈夫だって言ってんだろー? だからほら、泣きやめ」


「うぅ……泣いてないもん」


「目にいっぱい涙溜めといて、よく言うな」



真幸が袖で、あたしの涙を拭う。


……ちょっと痛い。


でも嬉しい。ありがと。


こうやって仲裁に入って慰めてくれて。


みんながいなかったら、もっとこじれているかもしれないよね。