*Only Princess*





あたしがみんなに謝ろうとしたとき。



「お前らに宣言しとく。俺らはやっぱ菜生を諦めねー。ぜってー朱雀の姫にするから!」


「た、タカト……」



白鷹のみんなの眉根がひそまるのがわかった。


あたしと朱雀の距離が縮まっていることに気がついたのだろう。


それに……面倒くさいことになった。


確かに朱雀は根は悪い人たちじゃないけど、これじゃあ平穏な白鷹との生活が送れない。


最悪の場合、戦いにだってなり得る。


でもあたしたちがどう言おうと決めるのは朱雀だから、どうすることもできない……。



言いたいことを言えたからか、3人と下っ端たちは倉庫に入っていった。


それを見つめたあと、あたしはみんなのいる後ろを振り返れなかった。