*Only Princess*





なんて言っていいかわからず、タカトから視線を逸らしたとき。


────ブォンブォンブォオオン

大きなバイク音。


これは、白鷹のものだ。


それを聞いたタカトがあたしの口から手を離し、リクが窓の外を見た。



「おーおー……白鷹のみんな、お怒りのようだよ?」



やっばい。

そうだ、勉強会抜け出して朱雀に連れ去られて、絶対にみんなに怒られるに決まってる。


1人あわあわとし、挙動不審になる。


そんなあたしを見て、ソウが。



「……下、行ったほうがいい」


「そ、そうだよね」



幹部室を出て階段を駆け下りる。


そしてなぜか3人もついてきた。


倉庫を出ると、今にも朱雀の下っ端に殴りかかりそうな5人の姿があった。



「菜生っ!」



出てきたあたしの姿にいち早く反応するてった。


みんなは駆け寄ってきてくれた。


心配と怒りが入り混じった表情。