あたしが断ろうとする前に、てったがあたしの肩に手を置き、それを静止した。
「お前らが何を言おうと、菜生は白鷹の姫だ。何があっても渡さねーよ」
続いてみんなも。
「意地っ張りで騒がしいけどさ、大事な存在なんだよな〜」
「そーそ。こんなんでもちゃんと姫やってくれてるし」
「いてくれないと困りますね」
「白鷹の欠かせない存在……だから、ここは引いてくれないかな?」
みんな……っ。
嬉しいよ、そんなこと言ってくれるなんて。
胸がキュンって鳴っちゃったくらいだよ。
いや、ここはキュンキュンしてる場合じゃなくて、あたしからもちゃんと言わなきゃ。
「……朱雀の気持ちは嬉しいけど、みんなが言ってくれた通り、あたしは朱雀の姫にはならない。白鷹の姫でいたいの。だから……ごめんなさい」
頭を下げて、そう言った。
みんながふっと安心して笑ったのがわかった。
少し沈黙が流れたけど、最後には頷いてくれた。
