ホテルに着いて、帰る支度を始めた。
1泊2日。
あっという間だったなぁ。
楽しかったし、琉依の心情を知ることもできたし。
「またどっか行きたいねー」
「うん! 今度は1週間くらい!」
「それは長すぎ」
「あはは!」
てったと同じツッコミを美紗にされながら、まとめた荷物を持って部屋を出た。
ホテルの外にはもうみんないた。
行き同様、車に荷物を積んでいく。
荷物係の子が運んでくれるはずだから。
あたしがてったのバイクの後ろに乗ろうとしたら、声をかけられた。
「菜生」
「あ、琉依。どうしたの?」
話しかけてきたのは琉依だった。
なんだろう?と首をかしげると、琉依がいつも以上に優しい笑みであたしを見た。
「昨日は本当にありがとう。すごく、助けになったよ」
「え、いや。そんな感謝されるほど、あたしは何かしてないよ」
「ううん、十分力になってくれたよ。
……昨日、みんなが寝静まったあと、父さんと話したんだ。自分の気持ちを全部言えたわけじゃないけど、白鷹が大切な仲間だってこと、総長をやっていたいこと。それだけはしっかりと伝えたよ」
「琉依……」
琉依、頑張ってきたんだね。
すごく、すごく嬉しい。
それに安心した。
向き合う勇気を持ってくれて。
