「確かに、みんなが持ってるものを琉依は持ってないのかもしれない。でもっ! みんなが持ってないものを、琉依は持ってるでしょ!?」
「みんなが持ってないもの……?」
琉依、気づいてないの?
「琉依は、誰よりも周りのことをよく見てて、誰よりも仲間思いじゃん!」
知ってるんだからね。
ケンカになりそうだったらさりげなく仲裁したり、みんなの意見をちゃんと聞いて行動したり。
立派に総長をやってるじゃん。
「仲が良くて面白くて仲間思いで、そんな白鷹を創り出してるのは、まぎれもなく琉依だよ! こんなにたくさんの人をまとめるなんて、誰にでもできることじゃないよ!」
「菜生……」
「今だって、みんなが琉依のことを探してる。すごく信頼されてるし、慕われてるじゃん……!
白鷹の総長は、琉依しかいないんだよ……っ!」
若干、涙目と涙声になってしまった。
だって、琉依が総長にふさわしくないなんて、思ってることが悲しい。
