*Only Princess*






「……お……菜生!」



誰かのあたしの名前を呼ぶ声で、目を覚ました。



「え、あ、真幸……いたっ」


「いってぇー!」



あたしが勢いよく起き上がったせいで、あたしの顔をのぞき込んでいた真幸の鼻におでこがクリーンヒット。


うわぁ……今のはめちゃくちゃ痛そう。

いやいや、他人事みたいに思ってる場合じゃない。



「ご、ごめん。大丈夫?」


「大丈夫じゃねーよ……痛いって」



怒る、というか涙目になっている。


そんなに痛かったんだ……。

うん、そーだよね。鼻だもんね。


それは痛い、涙目にもなっちゃうよね。


さすがのあたしも同情した。


真幸の鼻の痛みがだいぶおさまったころ、思い出した。



「ていうか、何か用?」


「あー、そうそう! ちょっと来て! 美紗ちゃんはもう先に行ったからさ」


「……?」