*Only Princess*





「思ったんだけど、男女別にしか入れないよね」


「あっ、確かに」


「じゃあ混浴にでも行く〜?」


「キモいこと言うなっ」


「いてぇー!」



グッと顔を近づけてきた真幸の頬をひっぱたく。


まったくもー!

すぐそういうこと言うんだからっ!


チャラいっていうか女たらしっていうか。


だらしなくなければ完璧なのに。

残念なヤツ。



「まっ、別に菜生の裸にキョーミはないよね」


「あーっ! 司言ったなー!?」


「だって、さ。ないじゃん」


「は、何が?」



何も言わずに視線を下にずらす司。


その視線の先は……あたしの胸。



「そーなんだよね、中学のときから全然成長してなくて……って、おい!!」



その瞬間、”ぶっ”とみんなが吹き出した。



──カッチーン。


あたし、頭にきたよ。



「……司、さいってー!」


「ぷぷ。図星だから否定はできないんでしょー?」


「う、うっさい! そーゆー司は、本当は女の子なんじゃないのー? ほらっ、身長だってあたしと変わらないじゃん」


「なっ……菜生より5cmは高いし!」