*Only Princess*





ホテルに着いたのは、10時前。



「えっ……と。なに、ここ」



ホテルに着いたあたしは、目の前にそびえ立つ高級ホテルを見て、唖然とした。


広大な庭園、神秘的なバルコニー。


周りは自然豊かな場所なのに、ここだけ際立ってまるで異世界だ。


……いや、すごいのは知ってたよ?

知ってたけど、ここまですごいとは!


こんなところに泊まれるんだ……。


ちょっと遠慮しちゃうっていうか、落ち着かないかも。





すでに着いていた琉依たちは、ホテルの中。


荷物を置いて、温泉巡りの準備をしてるみたい。


それならあたしたちも急いで準備しないとね。


あたしと美紗は同じ部屋。


女子は2人しかいないし、1人だと寂しいから。


必需品を小さめのバッグに入れ替えながら、急いだ。