*Only Princess*





白鷹の倉庫に行き、みんなと合流した。


その中にはちゃんと、美紗や朝生を始めとした蛇王もいた。


よかった、みんな来てるみたい。



「おーおー、朝からイチャついてますな」


「はぁ?」


「てったと菜生、本当仲良いな」


「……うっせー」



そんなやり取りをしているてったと真幸を見ていると、何かを話している航平と琉依が目に入った。


航平は何かを心配してるみたいだけど、琉依は笑顔のままだ。


でも……いつもよりその顔は強ばっている。


あたしはこっそりと2人の会話に聞き耳を立てた。



「……今日、お父様はホテルにいらっしゃるんですか?」


「うん、いるって」


「その……大丈夫なんですか? しばらく会ってないんじゃ……」


「……大丈夫だよ。逃げてばっかりだったし、そろそろ向き合わないと」



どういうことなんだろう……?

聞いていたけど、2人の会話の意味がよくわからない。


琉依と航平には、2人だけの世界がある。


幼なじみということもあるだろうけど、それだけではない。


秘密というか、2人だけで支え合っている。


そんなの、寂しい。

だって2人には、白鷹というたくさんの仲間がいるのに。