*Only Princess*





中に入ると、蛇王の幹部と美紗がいた。


あたしたちの姿を見て、立ち上がる。


覚悟を決めたような顔だった。


あたしは美紗と目が合う。


にっこりと微笑み、1つ頷いてくれた。



「菜生、さっきはありがとう」



朝生に向かって、啖呵を切ったことを言ってるんだよね?


そんなの、どうってことない。


あたしが言いたかったから、言っただけ。



「朝生は、考えを改めてくれた?」


「うん、菜生のおかげで」


「それならよかった」



聞くまでもなかった。


2人の間に流れる空気は、明らかにさっきとは違う。


きっと上手くいったんだろうなって思っていたよ。