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暴走族なんて嫌い。大ッ嫌い。


別に過去に何かがあったとか、そういうわけじゃない。


だけど嫌いなものは嫌い。


だってあんなのただの落ちこぼれだし。

なんか怖いし。




あたしの名前は高村 菜生(たかむら なお)。

16歳の高校2年生。



とことん暴走族を嫌うあたしが通うこの城山(しろやま)高校には、ここら辺じゃ有名で強い暴走族がいる。






「きゃー！ 琉依くん、今日もかっこいい〜」


「航平くん、こっち向いてー！」


「司くん可愛い〜」


「今度はいつ相手してくれるのー？ 真幸くん」






女子にキャーキャー騒がれている、この暴走族────白鷹(はくおう)の総長と幹部たち。


幸いにも、彼らとは同じ学年だけどクラスは違う。


みんなの名前なんて、聞いたことはあるけど誰が誰だか知らない。

興味ないし。



まったく……
あたし、なんでこの学校に入学しちゃったんだろう。