*Only Princess*





なんとか戻ってきた白鷹の倉庫。


あたしはみんなの手当てをしていた。



「いやぁ〜まじでさっきの菜生、迫力すごかったな。顔もすごかった」


「んねー。そんな子が僕らの姫なんて……はぁ」


「あははは……2人とも、アザのとこ、殴るよ?」


「……スミマセンでした」



まったく、悪口は聞こえないところで言ってよね!


真幸はともかく、司なんてさっきまでヘロヘロだったくせに、そんなこと言っちゃって。


そんなこと言うんだったら、もう2度と手当てしてやんないもんねっ!!




「菜生」


「ん? なあに? 痛かった?」



琉依の手当てをしていると、名前を呼ばれた。



「んーん、痛くないよ。そうじゃなくて、明日……いや、もう今日か。夜が明けたらまた蛇王のとこに行くから」


「え、なんで?」


「あ、ケンカってわけじゃないよ? ほら、俺たちが勝ったら1つ願いを聞いてもらう約束だろう? その願いを、伝えに行くんだ」


「そうなんだ……じゃあ、あたしも行く!」


「うん、そうしてくれると嬉しいな」