再び強く睨まれるが、あたしは怖くもなんともなかった。
すぅーっと息を吸い込み、言いたいことを吐き出した。
「なにが"ふざけんな"よ! それはこっちのセリフだ、ばか!」
「はぁ? お前何言って、」
「あのね、敵であるあたしたち白鷹を傷つけたことは、100歩譲って許すよ。だけど、味方でずっとアンタを支えてきた美紗を傷つけることは、ぜっったい許さないから!!」
あたし、美紗が傷つく姿なんて、見たくないの。
悔しいけどアンタは、あたしよりも美紗との付き合い、ずっと長いんでしょ?
だったら、もっと美紗のこと理解してよ。
理解しようとしてよ。
「美紗はずっと、アンタを支えてきた。それは、ほっとけなかったから。そしてまたアンタの無邪気な笑顔を見たいって思ってたから。確かに、過去にいろいろあったのかもしれない。
……でも! たくさんの愛情をくれた人がちゃんといるでしょ、ここに!」
「……!!」
「それなのに何? アンタには優しさっていうものがないわけ? それともめちゃくちゃ鈍感なの?────いい加減、今までたくさんの愛情と優しさを注いでくれた、美紗の大切さに、気づけよ、ばか! そんでもう2度と、美紗のこと傷つけるなっ!!」
