*Only Princess*





「心配させて、悪かったな」



てったの手があたしの頭を撫で、より安心感を与えてくれる。


いいの、大丈夫。そう言いたいけど、涙で言葉が出てこない。


その代わり何度も何度も首を振った。


そのとき、美紗たちが遅れて倉庫に入ってきた。


あっくんたちはあたしたちに、美紗は朝生に駆け寄る。



「琉依さん、琉依さん……大丈夫ですか?」


「僕たち、めちゃくちゃ心配してました」


「早く帰って手当てしないと!」



心配するみんなを見てから、あたしは美紗たちに目を向けた。



「朝生……大丈夫?」



やっぱり、美紗は見捨てられないんだね、朝生のこと。



「チッ。触んなよ」


「動かないで! ケガしてるんだから、」


「触んなっつってんだろ!」



だけど朝生は美紗の手を振り払う。


そのことに傷ついた顔をする美紗。


それを見てあたしは、感情が抑えきれなかった。