*Only Princess*





「みんな、大丈夫!?」


「ああ……なんとかな。それよりも菜生、どうしてここに……」


「みんなに、会いたかったから」



ただ、それだけ。



「それで、勝負は……?」



航平と司を起き上がらせ、肩を貸す3人。


少し苦しそうに顔を歪めていたけど、みんなはあたしを見て微笑んだ。




「────勝ったよ、俺たち」



その報告を聞いた瞬間、とどめなく溢れる涙。


今までの緊張と不安が一気に溶けて……

安心で胸がいっぱいになる。



「よかった、本当によかった……っ」



本当は、めちゃくちゃ不安だった。


みんなのこと、信じていなかったわけじゃないの。


だけどもし負けたらって、解散になったらって、そう考えると、どうしようもなく怖かったんだ。


それに、みんな無事でよかった。


ケガしてるし、苦しそうだけど、無事で。


それだけで、嬉しいよ。