*Only Princess*





美紗から聞いたあたしは、なんとも言えない気持ちになった。


嬉しさだったり、もどかしさだったり。


いろんな感情が胸の中で混ざりあって、今にも溢れ出しそう。


なんなの、みんな。

ズルくない?


どんだけあたしを嬉しくさせれば気が済むの?


会いたい。みんなに会いたい。


今すぐにでも駆けつけたいよ。


そう思う前に、あたしは駆け出していた。


大きな倉庫の前。


あたしは勢いよくその扉を開けた。


そこには仰向けで倒れていたり、苦しげに肩で息をして立っている、白鷹と蛇王の幹部がいた。


ど、どういう状況……?


いや、それよりも。



「航平っ! 司っ!」



2人は倒れていた。


慌てて駆け寄ると、2人はちゃんと意識があった。


ただ、立つ力が残っていないだけみたい。


他のみんなは、と思い顔を上げると琉依とてったと真幸はなんとか立っていた。