*Only Princess*





つっくんとりっくんを睨んだあと、あっくんと目が合って、苦笑された。



「あはは……なっちゃん、僕の後ろに乗る?」


「〜っ! あっくん天使!!」



抱きつく勢いであっくんの元へ駆け寄り、バイクの後ろに乗った。


走り出すバイクたち。


夜の街に、バイク音が響く。


あたしはあっくんのYシャツを掴み、みんなが無事であることを祈った。


それから10分程度で、現場についた。


蛇王の倉庫……戦いの場所。


ケガをして外で倒れている人、壁に寄りかかっている人。


敵味方関係なく、たくさんいた。


それを見て、心を痛める。


白鷹の幹部たちも、蛇王の幹部たちも見当たらない。


今もどこかで戦っているのだろうか。


それともすでに決着がついているのだろうか……。