*Only Princess*





しばらくして、美紗の涙が枯れた頃。


美紗はあたしから離れて、ポケットから何かを取り出した。


それは────あたしの鷹のピアス。



「ごめん、これ私がずっと持ってた。蛇王の下っ端が盗んで、朝生があたしが持ってろって。だけどもう返すよ」


「いいの……?」


「うん、これは菜生の大切なものでしょ? 菜生が持つべきものだから」



頷き、あたしはピアスを受け取る。


よかった、戻ってきた……。


いつもつけているブレザーの左胸元に、再び輝くピアスがあり、頬を緩ませた。


でも鷹のピアスを見て、白鷹のみんなのことを思い出した。


……そうだ。

今は戦いの真っ只中。


今日が終わるまで、あと30分。


どうなっているのだろう……?