「大丈夫ですよ、こう見えても僕たち、強いですから」
────航平。
「圧勝で、帰ってくるから」
────琉依。
「心配すんなっ。いい報告、待ってろよ」
────真幸。
「僕たちのこと、信じてよねー」
────司。
「俺たちが白鷹もお前のことも、守ってやるから」
────てった。
その言葉、信じるからね。
あたしはニッと歯を見せて笑い、みんなの前に拳を突き出した。
「みんなが勝つことを信じてる。蛇王のやつら、ボコボコにしてきちゃえっ」
「おう」
「健闘を祈る!」
「ふっ。なんだそれ」
合わさる拳。
遠くなる背中。
夜空で小さな輝きを放つ月が、バイクで駆け抜けるみんなを照らしていた。
信じてるから────。
