「……正直、無傷で帰ってくるのは、難しいだろうな」
「そんなっ……」
現実的な言葉に、胸が痛くなる。
そんな、はっきり言わないでよ。
わかってるの。
そんな生温い戦いじゃないから、ケガくらいするだろうって。
でも、ウソでもいいから、"大丈夫だ"って言ってほしかった。
少しでも安心できる言葉が欲しかった。
心配すぎて困り眉で変な顔になっていたあたしを見て、ふっと笑うみんな。
「でも絶対、みんな無事に帰ってくるから……お前はそれを信じてろ」
じわっと心が温かくなる言葉。
そして順番にあたしの頭をポンポンッと撫でていった。
