*Only Princess*





こういう、何でも言い合える上下関係っていいよね。


白鷹は本当に仲が良い。



「はいはい。じゃー、好きなもの食べに行こう!」


「「いえーい!!」」



なんとか丸く収まったみたい。


あたしのできることなんて、ものすごく限られてる。


少しでも力になることをしたい。


作戦会議を終えると、真剣な顔をした琉依がみんなの顔を見渡した。


もちろん、あたしとも目が合う。


とても大きいとは言えないけど、倉庫内に響く声。



「この戦いはただの戦いじゃない。菜生と美紗ちゃんの仲はもちろん、白鷹の存亡もかかってる。だから……絶対勝ってこよう!」


「「おおー!!」」



蛇王との戦いが、幕を開ける。


次々とバイクに乗り込んでいく下っ端くんたち。


それに続いて幹部たちもバイクが停めてある場所へ向かう。



「あのさ! みんな!」



振り返るみんな。


あたしがみんなに言いたいのは一言だけ。



「お願いだから、無理だけはしないで」



勝ち負けも大事だけど、でも。

体のことを1番に考えて欲しい。


誰かが大怪我をしたなんて、そんな報告聞きたくないし、それで例え勝ったとしても嬉しくない。


送り出すのって、こんなにも辛いんだね。