電話が切れた途端、あたしたちは急いで戦いの準備をし始めた。
まさか、今日決着をつけることになるとは思わなかった。
向こうは準備万端かもしれないけど、あたしたちは違う。
予期していなかったから、少しばかりみんなから焦りの色が見られる。
「たぶん、1番大きな倉庫に幹部がいるよな」
「着いたら3つに分かれて、ここは──」
1つのテーブルを囲み、必死に作戦会議するみんなを見て申し訳ない気持ちが浮かび上がってきた。
喉まで上がってきた"ごめんね"という言葉。
でも発さないように努めた。
謝ったところで、何も変わらないから。
菜生のせいじゃないと言われるのは目に見えているから。
それよりも。
自分にできることをやらなきゃ。
あたしは現場に行かないんだから、それ以外にできること。
あたしは自分の頬をパチンと叩いた。
