*Only Princess*





「……敵対してる暴走族に入ってても、あたしは美紗のことが大好き。あたしの大切な人であることには変わりない。だから……信じてるよ、美紗のこと」


「それが……菜生の答えだな?」


「そう。これがあたしの答え」



あたしがしっかりした声でそう言うと、てったはふっと微笑んだ。


でもてったも何か決心したような、真面目な顔になる。



「お前らの仲が元通りになるには、蛇王に勝たすわけにいかない。俺たちが勝たないといけない。俺たちがお前らの仲を戻してやるから……だから菜生。お前も美紗に本心を伝えろ」


「うんっ……」



涙が滲んで、てったの顔がボヤける。


だけどまだ、泣くときじゃない。


すべてが終わったとき、弱くなることを許す。


白鷹の未来のためにも、美紗との仲のためにも。


白鷹が勝たなきゃいけないんだ。


だったら。

あたしは白鷹に全力で協力するしかないよね。


一時は敵同士になるけど、美紗。

本心を伝えに行くから。


だから、待っててね。