*Only Princess*





「……これは、あくまで俺の意見だからな。最後は菜生が決めろよ」



そう言ったてったは、真っ直ぐにあたしを見た。



「確かに、美紗は蛇王のスパイだ。菜生の名前を教えたのは美紗だし、裏切ったのかもしれない。菜生が白鷹に入るのに背中を押してくれた、本当の理由もわからない」



そう、そうなんだよ……。


ズキッと痛む胸。

改めて現実を突きつけられたみたい。


現実逃避するみたいに、だんだんと俯いていく頭。



「だけど、今まで助けたり助けられたりしたのは、美紗だっただろ?」



その言葉にハッとしたあたしは、顔を上げて再びてったの目を見た。



「蛇王とか白鷹とか、そんなこと関係なかった頃。無邪気に笑い合ってお互い助け合って。そうやって過ごしてきたんだろ? お互いが対立してる暴走族に入ってるからって絶交するような、そんな友情だったのか?」


「違う、あたしたちはそんなんじゃ……!」



そうだ、あたしたちはそんな友情を築いてきていないはず。