*Only Princess*





それから10分くらい走っていただろうか。


ようやくバイクが止まった。


そこはよく見覚えのある場所。



「ここって……」


「そ。俺らがよく遊んでた公園」



あたしの家と昔のてったの家のちょうど間にあったこの公園。


すべり台、ブランコ、鉄棒と、ありきたりなものが置いてあるどこにでもある公園だけど、あたしにとっては特別な公園。


てったも、特別だって思ってくれてたのかな……?


秋風が木の葉をさわさわと揺らしている音が耳に入る。


肌寒い季節になってきたなぁー、なんて思いながら、あたしたちはブランコに腰掛けた。


ギシギシと揺らし、秋の空を見上げた。