*Only Princess*





「ったく、危ねぇ。お前まじで何してたんだよ」


「えっ、い、いやこれはね? 決して変態とか、そういうわけではないんだよ!?」


「変なやつ」


「そ、そんな傷つくこと言わないでよ!」


「いやだって、菜生がいねぇなって思って倉庫から出たら、探してたやつが俺のバイクに乗ってニヤついてるんだぞ? しかも手も足も届いてないのに」


「……」



否定できないのが悲しい。


そんな風に見えてたんだね、それは恥ずかしい限りです……。


あたしがシュン、と俯いていると。



「よし、じゃあ行くぞ」


「え?」



思いがけない言葉に思わず顔を上げる。



「行くって、どこに?」


「それは秘密だ」


「えー、なにそれ」


「いいから、乗れ」



さっきまであたしが乗っていたバイク。


今度は後ろに乗る。


どこに行くのかな? てゆーか、どうして急に?


疑問を頭に浮かべているうちに、バイクは走り出した。