*Only Princess*





倉庫から出たあたしは、てったのバイクに寄りかかった。


白い鷹が描かれた、迫力のあるバイク。


カッコイイ……
白い鷹を撫でるように、触れた。


こんなかっこいいバイクを乗り回すみんなは、どんな気分なんだろう?


あたしは興味本位で、いつもてったが乗る、サドルに座ってみた。


ハンドルに手を伸ばしてみるけれど、届かない。


足だって、つま先がちょん、とつくくらい。


あたしにはこのバイク、大きすぎるや。


でも……なんだか心地いい。


自分がかっこよくなった気分。


ふふ、と少し頬を緩めたとき。



「……何してんだ、お前」



少し引いたような、そんな声色で声を掛けてきたのはてっただった。



「う、わぁ……!」



ビックリして、バイクから落ちそうになる。……ところを、てったが受け止めてくれた。


抱きしめられるような体形に恥ずかしくなりながらも、てったに支えられながら降りる。