*Only Princess*





「……生……菜生!」


「……え、あ、……何?」


「何って……はぁ。下っ端でケガしたやつがいるから、手当てしてやってくれ」


「あ、うん。わかった」



てったの言葉に頷き、ケガしたという下っ端くんたちのところに向かった。


やっぱりあたし、ぼーっとしちゃってる。


今もきっと、てったに呆れられちゃったんだ。


ダメだ、こんなんじゃ。

いつものあたしに戻らなきゃ。



ケガしている3人は座っていて、その前にあたしはしゃがみこむ。



「大丈夫? ケガ、見せてみて……って。りっくんたちだったんだ」



りっくん、あっくん、つっくんトリオ(勝手にトリオにした)。


下っ端の中で、特に仲が良い子たち。


あたしのこともなっちゃんって呼んでて、タメで話してくれる。


他の子は遠慮してなかなかそうはしてくれないんだけどね。



「あ、なっちゃん」


「ごめ〜ん、ケガしちゃった」


「だけど俺ら全然大丈夫だぜ!」


「本当ー? あ、でもアザできてるじゃん。湿布貼らなきゃ」


「ありがとー」



アザができてるりっくんには湿布、擦りむけてるあっくんとつっくんには絆創膏を貼った。