*Only Princess*





あたしが口出ししようとする……前に。



「おもしれえ。受けてやるよ、その戦い」


「今までの勝負に、決着をつけるというわけですか」


「簡単に勝てると思わないでよ」


「え、ちょっ……」



みんな、なに勝手に……。



「菜生は抜けさせねぇよ」


「その戦い、蛇王が勝てば白鷹は解散。白鷹が勝てば……俺たちの願いを1つ聞いてもらうよ」



なんでそんな勝手なこと言うの。


そう思うけど、みんなの言葉に嬉しくなる自分がいた。



「いいぜ。俺らが負ければお前らの願いを聞いてやるよ。お互い存亡を賭けた戦い、楽しみだ」



ニヤッと不気味な笑みを残し、蛇王は去っていく。


その後ろに、美紗はついて行ってしまった。


それを引き止めることはできなかった。



いつの間にか強くなっていた雨の音が、耳鳴りのように絶え間なく頭の奥で響いていた───。