「菜生、落ち着け」
ヒートアップしてしまったあたしを止めるてったの言葉で、少しだけ落ち着いた。
「美紗に余計な感情を持たれると俺らにとって不都合だ。俺らの解散にも繋がりかねない。だから高村 菜生には白鷹から抜けてもらいたい」
なるほど……と、蛇王の言葉に妙に納得してしまった。
蛇王のスパイである美紗と白鷹の姫であるあたし。
そんな2人が親友となると、情報が集められない、むしろ情報が流れてしまうという可能性が出てくる。
それを避けるために、蛇王はあたしを白鷹から抜けさせたいというわけか……。
「もし抜けない場合は、俺らはお前らに戦いを仕掛ける。そして蛇王が勝ったときは……白鷹には解散してもらう」
「え……?」
思わず声が漏れるみんな。
あたしもその中の1人だった。
だって、そんな……
あたしが抜けないと、みんなは戦わなきゃいけない。
もし白鷹が負ければ白鷹は解散……。
そんなの、あっちゃいけないよ。
