*Only Princess*





「どういう、ことなの?

────美紗……」




美紗は今にも泣き出しそうな顔で、あたしを見ていた。


……理解できない。


なんで美紗は、蛇王の総長の隣に立つの?


立つとしたら、あたしの隣じゃないの?


どーして今あたしたちは向き合ってるの……?


頭の中がこんがらがる。


でも戸惑っているのは、あたしだけじゃなかった。


白鷹のみんな、この状況を理解できていなかった。


……いや、理解したくなかったの間違いか。



ポツリ、と鼻に雨粒が当たる。


ああ……やっぱり雨降ってきたか。


なんて、呑気なことを頭のどこかで考えている自分がいた。


すると蛇王の総長が歪めた口を開く。



「これがどういうことか……美紗と俺らがどういう関係か知りたいか?」



……知り、たくない。


知りたくないよ、そんなの。


だって、心のどこかではわかってるの。


だけど受け入れたくない。


お願い、これ以上言わないで……。


そんな切なる願いも虚しく、蛇王の総長は再び口を開いた。