*Only Princess*





「蛇王がなんと言おうと、菜生は抜けないよ」



白鷹の総長である琉依がそう言った。


それにあたしも頷く。


でも蛇王の総長は、ニヤッと右口角を上げた。


それだけで怪しいオーラが漂う。



「……ま、そう言うと思ったけどな。まあいい。でも現実も知ってもそう言い切れるか?」


「え……?」



言ってる意味がよくわからなくて聞き返そうとしたそのとき。



────ザッ。


誰かの足音。


ここにいるみんながそこに目を向ける。



「な、んで……」



その人はゆっくりとあたしたちに近づいて……


そして、蛇王の総長の隣に立った。


あたしはその光景が理解できなくて、呆然と立ち尽くす。