*Only Princess*





よく見ると、総長の後ろには幹部であろう人たちがいた。


総長は相変わらず不気味な笑みを浮かべていた。


この前の嫌な記憶。


それが一気にフラッシュバックしてきて、息苦しくなる。


なんで、ここに……?


もう2度と、顔も見たくなかったのに……。



「話したいことがある。ちょっと来い」



そう言い掴まれた腕。



「ちょっ……放して!」



咄嗟に振り払おうとしたけど、やっぱり力の差は大きかった。


ビクともしなくて、ただ引っ張られるだけ。


連れてこられたのは人気のない裏庭。


手は離されたけど、壁に追い詰められ蛇王に囲まれて、完全に逃げ場を失った。