*Only Princess*





射的のクラスから離れたあたしたちは、2つに分かれた。


というのも、真幸と司が他のクラスのお化け屋敷を見たい、と言ったからなんだけども。


お化け屋敷だけは無理、と断固拒否したあたしはてったと琉依と航平と行動していた。


特に行く宛がないあたしたちはぶらぶらと見て回っていた。


それにしても人が多いなぁ。


このままだといつか迷子になりそう。


すると、あたしの大好物が視界に入った。



「あっ、水飴だ〜っ」


「あ、おい。ちょっと待て……」



さっきてったに忠告されたにも関わらず、水飴一直線に走るあたし。


あたし、水飴大好きなの!

水飴だけは譲れない!


水飴を出しているクラスに着く。……一歩手前で。


誰かにドンッとぶつかった。



「あ、ごめんなさ…………っ!」



謝ろうと顔を上げて絶句した。


だってその人は。



「よぉ……久しぶりだな」



この前あたしを連れ去った、蛇王の総長だったから……。