「俺が取ってやる」
そう言ってあたしの横へやって来たてった。
そして射的銃を構える。
おぉ、カッコイイ……
なんか様になってる。
────パンッ。
飛び出した弾は、見事狙ったお菓子に当たり、落ちた。
「わぁ〜すごい! さすがてった! 真幸とは違うねー」
「おい、俺のこと貶しすぎだろ!」
横で騒ぐ真幸を横目に、あたしはてったの手からお菓子を受け取った。
てった、昔から射的得意だったよね。
夏祭りに行くと、いつも必ずてったに取ってもらってた。
「つーか、菜生。あんま菓子とか食いすぎるなよ。どーせ昨日もたくさん食べてたんだろ?」
「うぅ……おっしゃる通りです」
昨日もたくさん食べたの、バレてる……。
幼なじみ様、恐ろしい。
このお菓子は……
うん、また今度食べよ。
