*Only Princess*





校内はもちろん、校舎の外も城山祭に染まっていた。


盛り上がっていて、みんな笑顔だ。


あたしと美紗もその中の1人だった。



「あっ、ねえねえ。 焼きそばがあるよ!」


「アイスだ!」


「チョコバナナ!」



……とまあ、食べ物巡りをほとんどしているわけだけど。


あちこちからいい匂いが漂ってきて、それに辿ってあたしたちは行動していた。


クレープを頬張っているとき、思い出した。



「あ、そういえばあたし、みんなのクラスに行かなきゃいけないんだった」


「じゃあ、行こっか!」



やばいやばい。

約束を忘れてしまうくらい食べ物に夢中になってしまうなんて。


そんな自分にちょっぴり引きながらも、あたしはクレープを食べ終え、まずは琉依たちのクラスに向かった。