「ねえ、エイジ。あなたに出会えてよかったわ」 嘘。 「俺もだよ。遠距離恋愛でも、きっと上手くいくさ」 嘘つき。 「戻ってくる時は言ってね。ちゃんと準備するから」 嘘。 「わかってる。毎日でも連絡するよ。ちゃんとスマホの電源入れておけよ」 嘘つき。 発車ベルが鳴り終わり、私たちの間に壁が出来る。 閉まったドアの向こうで、エイジが嬉しそうに笑って手を振る。