あれはいつだったか。龍に連れられて海里のもとに訪れたあの夜だった気がする。
あの時の会話を今、思い出した。



「アレはどうなってる?」

「まだ、当分は大丈夫だと思う。ただ、重なったり、フラッシュバックしてって言うのはあるだろうな、焦っているのか?」

「まるで、リプレイを見てるみたいだなぁって。あの頃と同じ道を進んで。ストーリーの最後はまた、同じになっちゃったり、なんてね」 


なぜ、気づかなかったのだろう。
なぜ、自分もまたその中の一人であるということを考えなかったのだろう。


リプレイだと感じたその感覚がおかしいと違和感を覚えなかったのだ。