あの日の桜はⅢ【大幅修正中】


「行けないに決まってんでしょ。今更、どのつらさげて会いに行けるの?それにこっちに来ている間にあんまり人に会いたくないし、今日ももう千景に会ったら帰る予定だし」

ほんの少し頬を膨らませる彼女に思わず笑ってしまう。

「はいはい、とりあえず帰る前にはその口調直しときなね」

そういえば、彼女は「わかってる」と一言いい立ち上がった。

「もう帰んの?」

「うるさい、帰りますー」

「てか、本当に何しに来たわけ?」

そうあきれながらいうも、彼女は手を止めることなく帰り支度をする。
そして、つかつかと出口まで歩いていき、やっと振り返った。

「だから言ったでしょ?千景に会いに来たって。本当、それだけだよ」

そして、最後に意地悪気に微笑み扉を開けて行った。