考えれば、考えるほど痛みは大きくなっていく。

私はゆっくりと、大きく深呼吸をした。
先ほど買っていたお茶を一気に流し込む。

次第に痛みが引いていくのがわかり、再び息を吐き出した。

「なんなの?」

ぼそりとそんな言葉が口から洩れた。
うまくは言えない。

ただ、今はそんなことを考えるなと言わんばかりに頭痛は警告しているようだった。

「焦りから、かな」

かすかに感じる秋の訪れに焦っているのかもしれない。
そんな風に思い、ゆっくりと目を閉じ、そして開けた。

春とは違う、秋の涼しい風が吹いた。

とにかく、今は目の前のことだけ考えよう。
そう思い、再び私は歩き出した。