「というか、これからどうします?」
そう問いかければ、紘はあっと思い出したような顔をした。
「悪い、これから俺もシフトだった。だからもう行かないと」
「そうだったんですか。早く行ったほうがいいですよ、私のことはいいので行って下さい」
少し罰悪そうな顔をするので、微笑んでそういえば、紘はもう一度一言謝ると速足でクラスのほうへと向かった。
一人になり、そっと周りを見回してみる。
相変わらず人で溢れかえっており、にぎやかな文化祭の景色が広がっている。
なんとなく。
改めてこう思ってみると、案外楽しんでいる自分がいることに気が付いた。