「あいつからすれば、お兄ちゃんみたいなもんなんだろうな」

「お兄ちゃん、ですか」

一瞬、千景が兄だった場合を想像し鳥肌がたった。
あんなのと一緒に入れる人の気が知れない。

「まあ、あんなんだけどあいつは優しいからな」

紘がぼそりとつぶやく。
”あんなん”などとさっきからひどい言われようをしている千景だが、その優しさはを自分もよく知っている。

決して、面と向かって優しいねと言わせないようなやり方だが。

「後で葵にも写真を送ってあげましょう」

にっこりと笑えば、紘がひきつったような笑みを浮かべる。

「お前もたいがい、だよな」

「さて、なんのことやら」