***

静かな部屋に電話が鳴り響く。

ゆっくりと立ち上がり、ベランダへ向かう。

空を見上げれば、綺麗な星が瞬く。
雲一つない、月が美しい夜である。

通話ボタンを押し、電話にでる。

「なに、こんな夜に?」

そういえば、相手は小さく笑う。

「用事がないなら」

「え、あーそうだね。いやいや、予定通りって感じ」

「まぁ、バレてないよ、たぶん。ちょっと怪しいなって思ってこともあるけど、それ以外なら特に何もないから、うん」

「ただ、計画通りってわけにはいかなさそうだよね、何事もうまく物事が運んでるって思っている時が、うまくいってないていうじゃない?」

「うん、うん。了解。じゃあね」